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名前: おたすけ血っ太(大阪府)[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:36:27.48 ID:1Q6//mzuP BE:3558374887-PLT(12001) ポイント特典
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菊とポケモン アン・アリスン著 クール・ジャパン 受容を紐解く
著者は、かつて東京でホステスとして働きながらサラリーマンの社交世界を分析した、米国を代表する知日派の文化人類学者。
その彼女が今回切り込んだのはずばり「クール・ジャパン」。なぜ米国では1990年代から日本のポップカルチャーが「クール」になったのか。
ゴジラから鉄腕アトム、パワーレンジャー、セーラームーン、たまごっち、ポケモンにいたる
ファンタジー作品の誕生と受容の歴史を紐解(ひもと)きながら、本書はその謎に迫ってゆく。
たとえば、ポケモン。
まぎれもなく商品経済の産物でありながら、カードの交換を通してさまざまな遊びが可能なポケモンには、
人間関係を重んじる伝統的な贈与経済の原則が埋め込まれているという。
それゆえ不確実性の高いグローバル資本主義の時代にあって、人びとの心の渇きに沁(し)み入りやすいというわけだ。
しかもディズニー作品と比べると、はるかにインタラクティブで、モバイル性に富み、
ストーリーもキャラクターも多種多様に変幻する。原産国(日本)をことさら強調しているわけでもない。
こうした点が、米国の覇権が揺らぎつつあるポストモダンな世界の現実に、より合致しているという。
つまり、ポケモンが世界各地で共感を勝ち得ているのは、単に異質で“カワイイ”からではなく、
その背後に、奥行き深い巧みな文化的メッセージと戦略性を秘めているからというわけだ。
著者は、米国人が偏狭な自己優越感を捨て、多元化する世界のなかで「迷子にならない」ための
一助として「クール・ジャパン」の広がりを歓迎している。
その一方で、日本では「クール・ジャパン」が「ソフトパワー」の観点からのみ捉(とら)えられていることに違和感を隠さない。
ポケモンたちが現代世界に投げかけている文明論的な意義や可能性にこそ、もっと目を向けるべきだと。
なるほど、ポケモンを一番軽く見てきたのは、実は日本人自身かもしれない。
こうした自己省察のための新たな視点を存分に与えてくれる本書は、まさに現代版『菊と刀』といっても過言ではあるまい。
http://www.nikkei.com/life/culture/article/g=96958A96889DE3E4E7E2E2E1E3E2E3E4E3E2E0E2E3E29F8891E2E2E3